この記録は2006年1月18日より27日まで蓄膿症(慢性副鼻腔炎)で入院し、生まれて初めての手術と入院を体験した一人の釣り人の記録である。蓄膿手術についてたくさんの有益な情報を提供して頂いた先人のHPに感謝すると共に、この記録が手術を検討している人に一筋の光明とならんことを希望する。

ちなみに、

患  者:銀玉(仮名)40歳 177cm 100kg  趣味 釣り 至って健康医者要らず

病  名:鼻中隔湾曲症・肥厚性鼻炎・慢性副鼻腔炎

予定術式:鼻中隔矯正術・粘膜下下鼻甲介骨除去術・内視鏡下鼻内副鼻腔手術

入院病院:宇和島市立病院耳鼻咽喉科54病棟   主治医 大河内先生

時間軸 感情の波
今日の釣果?と感想
入院1日目 不安1.0m 午後2時前に入院ということで午前中仕事をして、風呂にも入って精を付けようと嫁に昼飯にステーキを作ってもらった。いざ病院に行ってみると。私と同じような入院患者がたくさん待っていた。私が入るのは54病棟で耳鼻咽喉科と眼科の病棟だ。合わせて10名程度がまるで団体旅行のように病棟内を案内された。同じような人がたくさん居て、自分の病気が特別な物でないことに気付いて割と落ち着いた。しかし、個室を予約していたのに割り当ては2人部屋だった。スーツケース2個分に詰め込んだAV機器やゲームが設置できない・・・とりあえず、割り切って荷物の整理をしたら、市立病院だから仕方ないかと納得した。同室の高知県のおじさんとも仲良くなったし。晩飯食って、9時就寝。9時以降は水も飲めないので、9時前に友人の差し入れの弁当を食う。割と、眠れた。
2日目(手術) 不安2.0mのち 混沌 朝7時前から起こされて、血を採られたり検尿検便。絶食絶水で朝飯も昼飯も無し。隣のおじさんの飯をすする音がウザい。オペは2時30分開始とのことで、1時頃より点滴開始。初めての点滴も痛くはなかった。ケツに筋肉注射を打たれて、中央手術室に搬送される。このときも割とボーとしていた。手術室を見学するまもなく手術台にのって、「割と若い看護婦がつくんやねぇ。」と思っていると、先生が「麻酔入れます。しばらくすると眠くなります。」と言った。これが最後の言葉であとは記憶無し・・・次に目が覚めると病室のベットの上で寝ていた。左腕に点滴、口には酸素マスク、股間には噂の尿道カテーテル、足にはエコノミー症候群防止用エアープレス機、頭の下にはアイスノン。まるでハンガーに架かったモビルスーツのようだ。麻酔が切れかけて鼻が痛かったので、すぐに座薬を入れて貰った。すると速効で痛みが解消された。しばらくすると、主治医が来て手術の説明をした。右鼻はポリープではなかったそうで、手術はしなかったらしい。少しラッキー。しかし、左は思い切やられたようだ。私は太っているせいか、鼻や顔は余り腫れていなかったようだ。只、脂汗が酷い。10〜20分周期の眠りと覚醒を繰り返した。午後9時頃には水が飲めるようになり、牛乳とオレンジジュースを貰った。また、空腹感も感じるようになった。痛みは鈍痛といったところでたいしたこと無いが、出血が予想通り酷く。15分ぐらいで一番手前の綿球が真っ赤になる。これを自分で替えなければならないのだが、寝過ぎしたりしてシーツが汚れた。朝までこの混沌状態。熱は38度近く。
3日目 開放感1.0m 相変わらず出血は止まらないが、痛みはほとんど無い。朝食前には点滴以外の各種装備が外された。噂の尿道カテーテルを抜くときの痛みも痛みという訳でもなく想定内の刺激だった。点滴を押してトイレに行った。小水を放ったら、小便の途中でおならみたいなガスが私の竿から出てびっくり!点滴は付いているものの至極快適で、朝食のおかゆも完食して、お見舞いのシュークリームも食べた。若干食欲はないが、絶食・手術・拘束具から解放されてテレビを見たり昼寝したりのんびり過ごす。夕方には点滴も取れて、あとは朝夕の化膿止め抗生物質の点滴(30分)が3日間続くそうだ。痛み止めは食後の薬のみで特に問題なし。ただし、出血は相変わらずで1時間程で綿球が赤化する。熱は37度に。
4日目 安定0.5m 出血はだいぶ収まったが、やはり綿球の交換は続く。戦前の予想に反して、痛みがほとんど無いので入院も辛くない。退屈なのが辛いぐらいだ。入院前に拝見した先人のHPでは術後の痛さが強調されていたが、私に関しては飲み薬の痛み止めで快適な状態だ。余裕をこいて、売店まで行ってお菓子を買って食ったりした。耳鼻科の専門病院ではなく、田舎の市立病院の耳鼻科の手術なので特別な事はないと思うが、割と楽な手術やん。あいかわらず、朝飯、点滴、診察、昼飯、暇、晩飯、点滴、寝るの生活だ。
5日目 安定のち大嵐3.0m 綿球を交換する頻度がかなり低くなってきて、術後の回復が感じられる。しかし、今日は恐怖のガーゼ抜が待っている。朝から緊張気味で、経験済みの患者に様子を聞いて回った。先人のHPでその痛さが強調されていた。さすがに今日は覚悟を決めた。10時頃診察室に呼ばれた。主治医に「大きく深呼吸して・・・!」と言われ、息を吸った瞬間にベローンを引き抜かれた。確かに脳みそから焼け火箸を抜くような感覚ではあるが耐えられないことはなかった。「もう1本抜きます。」で2本目を抜かれた。痛かったけど、終わったと思った瞬間、鼻の洗浄が始まった。これが痛い!!!まだ、出血している鼻の奥の脳みそに近い患部に棒を突っ込んで、液は出すわ、バキュームするわで、涙が著著切れた。私は失神したことがないが、未経験の激痛にまさしく失神寸前。さらに出血が激しくなり、あわてて、先生も洗浄中止。先生に説明を受けたが、どうやら私はたまにいる「鼻の敏感な人」らしい。出血したのでまたガーゼを詰められて、病室に帰ったが。痛くて1時間以上寝込んでしまった。この件は看護婦の間でも噂になったようで、後に若いナースに「今日は泣かないで下さいよ!」とおじょくられることになる。
6日目 やや波1.0m 昨日入れたガーゼを抜いた。その後の洗浄も耐えられる範囲で30分ぐらいで痛みもなくなった。今日から化膿止めも点滴から飲み薬になり、鼻の詰め物も無しで晴れて自由のみになった。午後から6人部屋に移されてしまった。たこ部屋送りである。腹いせに病院をこっそり抜けて近所のスーパーに買い物に行った。さすがに1週間程暖かい所でくうねるあそぶだったので、体がなまってしんどかった。鼻からは膿、血、鼻水の混じった物がまだ出てくるが、ティッシュで対応できる。相変わらず、体温は37度でいつも36度ぐらいなので、高めであるが生活に支障なし。元気になって夜9時に寝られなくなり、ipod-nanoやPSPが大活躍。さらに、たこ部屋なのでイビキの五重奏やオールレンジ攻撃に耐えなければならなかった。夜中に入れ歯洗うボケじじいおるしで、たぶん私が眠りについたのが1時過ぎだったと思う。それから、起床まで快眠だったので、私の大太鼓のイビキが病室に響き渡ったことだろう。
7日目 凪0.5m 今私がいる6人部屋、私以外は全員眼科の患者でTVを持ってない。まあ、あってもみれないのだが。そういう事情で年寄りが多いこともあり、昼間は大変静かな病室だ。もちろん私も常にヘッドホンを使っている。生活は朝飯、診察、昼飯、暇、晩飯、寝るのサイクルだ。今日から鼻を自分で洗浄する事になった。浣腸でも使うエネマ(マニアは必携)で鼻中にひと肌の生食(生理用食塩水)を注入して洗う。血のかたまりや膿が出てくる。ひやっとするが痛みはない。今日から試験外出が可能となり、家に帰って入浴や子守をし、職場にも顔を出す。朝飯、鼻洗浄、診察、吸入、昼飯・・・の生活。
8日目 凪0.5m 本来は今日退院予定だったのだが、保険の関係でどうしても10日間入院しなければならないので、2日延期して貰った。部屋がないので、当初希望していた特別室に引っ越しをする。特別室は完全個室でテレビ、バス、トイレ、エアコン、台所付き、追加料金は1日5250円。やっとゆっくり眠れる環境になった。また試験外出をして今日は家に戻らずにパXンX屋に行った。久しぶりで、勘が戻らないのとタバコが吸えないので調子が狂う。たばこに関しては吸いたいという欲求もないので楽であるが。当然酒も御法度。2件ハシゴをして、スーパーにも寄ってかなり歩き回った。入院以来、初めての完全快眠・・・個室は良い。
9日目 凪0.5m 朝飯、鼻洗浄、診察、吸入、昼飯・・・の生活はあいかわらず、個室なので快適でオマケに室内アンテナが付いていてテレビ局がたくさん映る。普通の部屋ではNHKと南海放送(日テレ系)しか映らなかった。みのもんたとはおさらばして「笑っていいとも」を見ながら昼飯を食って、液晶テレビやゲームになど要らなくなった荷物を家に持って帰る。明日はいよいよ退院だ。鼻はほとんど問題ないくらいに回復している。
10日 帰港 今日でエネマでの洗浄も最後になった。診察を受けて昼飯を食べて、無事退院となった。昨日家に帰ったときにバイクで病院まで帰っていたので、バイクに乗って退院となった。帰ると待ちかまえたように、仕事がたまっていた。まだ、ちょっと疲れやすいが、やはり家が一番。来週からは釣りも行けそうだ。
総評

1. 蓄膿手術ならゼンマ(全身麻酔)に限る。心臓疾患等無い普通の人はほぼ無痛のゼンマがおすすめ。麻酔のリスクに比べもにならない楽ちんさ。部分麻酔は精神的にも辛い。

2. 蓄膿手術は痛くない。昔と違い今は内視鏡手術なので、傷口は小さく、痛み止め(特に座薬)は絶大な効果があります。術後12時間の不自由さと出血を我慢すれば楽勝。

3. ガーゼ抜きは痛いけど耐えられます。ゼンマの最大の難所がガーゼ抜きでしょう。ガーゼ抜き自体は大丈夫と思います。(私も大丈夫でした)

4. 手術後は飯も食えるし、歩けるし、不自由無し。蓄膿手術は昔のイメージで「3日は飯がくえん。」とかいいますが、今は全然そんなこと無いですよ。

5. 費用について。手術がゼンマで30万円強、その他10日間入院治療などで合わせて50数万円かかります。私は国保の3割負担で19万円弱でした。

結論 蓄膿手術は風説ほど痛くないから、手術しましょう!